先日、関西テレビの報道ランナーで「書き伝える奈良妖怪新聞」と言う特集があり、長谷寺の今は廃れた、白粉を像の顔に塗る奇習「一箱べったり」で使用されていた姥像が紹介されました。

「書き伝える奈良妖怪新聞」

妖怪研究家の木下昌美さんが妖怪「白粉婆(おしろいばば)」を調べに長谷寺にいらっしゃったのですが、元々「白粉婆」と言うのは、破れた傘を頭に被り、右手に杖、左手に酒徳利をもち、顔には暑く、雑に塗った白粉をつけた妖怪です。

長谷寺伝わる姥像は、その昔、長谷寺創建の際、僧侶の食事一切を一手に引き受けて、毎日の食事を過不足なく提供し続けた老女の像になります。その女性は化粧っ気のないみすぼらしい出で立ちであったのですが、情に厚く、慈母のように皆に慕われていました。しかし、ある日の夕刻を境に忽然と姿を消したそうです。誰もその女性の素性を知らず、行方を捜す術もなかったので皆、非常に悲しんだと言います。

そうして誰言うとなくあの老女は長谷観音さまの化身だと言われるようになり、そのご恩に報いるべく、綺麗な着物と白粉をせめてもの「志」として、供養したと言う事です。

毎年旧正月5日の深夜に長谷寺近くの白河という所(老女の出身地か?)から一箱にたっぷり入ったお白粉と白笠紙を姥像のある本長谷寺に持ち寄り、紙衣を着せ、お白粉をべったりと塗るまさに奇習が出来上がったと言います。

この行事は昭和三十年頃まで行われていましたが、以降、誰も拝むこともなくなり、お堂の隅に追いやられていたのですが、昨今の妖怪ブームと妖怪研究家の木下昌美さんがこの姥像に興味を持ち、ついには陽の目を見るようになりました。

この姥像の奇習「一箱べったり」の伝承と妖怪「白粉婆」がいつしか混同されるようになったということです。不思議なご縁ですね。


京阪神エルマガジン社より発売の「西国三十三所をめぐる本」に長谷寺(P66)が紹介されています。西国三十三所札所会公認のガイドブックになり、「駅からはじまる西国三十三所巡りスタンプラリー」のスタンプカードも付いています。

KADOKAWAより「関西ウォーカー 夏の超特大号」に長谷寺(p26)が紹介されています。周辺のおしゃれなカフェも掲載されていますので、夏のお出かけにおすすめです。

盛夏の候

いよいよ暑く、湿度も高く、日差しも強くなってきました。長谷寺には避暑場が少なくご不便をおかけすることになりますが、長い回廊が強い日差しと雨を防いでくれます。

あれだけ生き生きとしていた紫陽花も少し陰りを見せ始めましたが、大きく広がった蓮の葉が強い日差しを受け止めています。

ご来山の際は水分補給をこまめにとって熱中症対策をお忘れなくご自愛ください。


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