長谷寺便り

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年が明けた正月8日、京都にある東寺(教王護国寺)では真言宗の各総大本山の猊下や長老方15名がこれから始まる御修法を前に精悍な面持ちで居並びます。

御修法というのは玉体安穏、鎮護国家の為に承和元年(834)宗祖弘法大師により始められ、翌年には大師自ら法要の要となる「大阿闍梨」を務められました。

以来、情勢不安などで中止された時期もありますが、脈々と伝えられている、真言宗にとって最大にして最高の法要であります。

平成31年己亥歳の今年は総本山長谷寺化主田代弘興猊下が大阿闍梨を務めました。長谷寺にとって大変喜ばしい事です。猊下は今年一年を真言宗の長者として日々の法務をいたします。

さて、御修法ではどのような事が行われているかというと、配役が割り当てられ法要の要の大阿闍梨、その成就を祈念して増益と息災の護摩が焚かれ、修法中に障りの無いよう五大尊と十二天を拝みます。

また、修法の仏果が倍増するよう聖天を拝み、諸仏諸菩薩から洩れた諸尊を供養するため神供が修されます。相伴として天皇の念持仏であった「二間観音」を拝み、一連の御修法が完成されています。

一般の方は修法している様子はおろか拝んでいるお堂(灌頂院)の姿さえ見ることは出来ません。なぜかと言うと天皇陛下の生年月日と本名が記された「御宝算」を見分するからです。

昔は生年月日や本名は特別な意味合いがあり、それを用い呪詛する事ができます。その悪用を防ぐために秘匿としているのです。

お堂の扉という扉を閉めるために堂内は真っ暗で、二つの護摩の炎と灯明が揺らめき、真言が朗々と響きわたっています。さながら常夜のような様相、密教の深淵が顕現しています。

この修法が21回繰り返させれ、初日の8日と中日の11日、最終日の14日には宮内庁から勅使が献香に来られ、まさに大法となります。

今年は譲位、改元の年、有り難い年となり、平安な歳になるよう切に願うところです。


仁王会

2019.01.07/お知らせ

明けましておめでとうございます。1月7日、人日(じんじつ)の今日は正月元旦から7日間続いていた仁王会(にんのうえ)と修正会(しゅしょうえ)の最後の日、つまり結願(けちがん)の日です。

修正会とは旧年の自らの恣意を反省し、懺悔して、新年の安穏を祈る法要です。仏教伝来の頃にもたらされた、悔過作法(けかさほう)を用い、有名な東大寺のお水取り行事と同種の法要になります。

長谷寺では修正会、その後に続く修二会(しゅにえ)が2月8日から始まり、最後の2月14日の結願に「だだおし」をして、二週間続いた悔過作法を終えます。

長谷寺の悔過作法は楚(すわえ)という鞭を振り回し「災い」を祓い、太鼓と法螺貝が響く中を足をふみ鳴らし観音様の周りを回ります。「だだおし」ではそこに災いの象徴、鬼が加わります。

さて、仁王会ですがこちらも古い歴史があり、日本で最初に行われたのは660年とされています。「仁王護国般若波羅蜜多経」略して仁王経を読誦して人々の安寧を祈願する法要になります。

仁王経は国家が安泰になる為にはどうすべきかを説いており、国を治める統治者が五徳の一つ「仁」を以って統治すれば、国が安定し国民が安寧になるとしています。

その仁王経を具現化しているお寺が教王護国寺、京都にある東寺になります。東寺では明日8日から14日までの七日間、後七日御修法(ごしちにちみしゅほう)という大法会が執り行われます。

御修法は”みしほ”などとも呼ばれ、今上陛下の御衣(ぎょえ)を加持して、間接的に陛下の長命を祈願して、ひいては日本国が平和である事を願います。

この御修法は真言宗の18ある各総大本山の長老が集い、真言宗において最大にして最高の法要になり、今年は長谷寺の田代弘興猊下が御修法の中心的役割の大阿闍梨(だいあじゃり)を努めます。

また、今上陛下が譲位される年であり、改元が行われます。変化の年でもあり、亥年で猪のように邁進する年でもあります。その年に天皇(すめらぎ)の弥栄(いやさか)を祈る事は大変有り難い事です。

今年一年をどのような年にするか、”一年の計は元旦にあり”と言うように、この時期に決めて一年を安泰にお過ごしいただけるようご祈念申し上げます。


新年を迎える準備が着々と進んでいます。長谷寺では毎年恒例の「観音万灯会」を開催いたします。

沢山の方に灯籠をご奉納いただき、399段の登廊に灯籠を並べることができました。その灯籠が観音さまへと誘います。

祈りの灯火に包まれた登廊はとても幻想的です。しかし、寒波が来ていますので、ご来山の方は暖かくしてお参りください。

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