仁王会

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明けましておめでとうございます。1月7日、人日(じんじつ)の今日は正月元旦から7日間続いていた仁王会(にんのうえ)と修正会(しゅしょうえ)の最後の日、つまり結願(けちがん)の日です。

修正会とは旧年の自らの恣意を反省し、懺悔して、新年の安穏を祈る法要です。仏教伝来の頃にもたらされた、悔過作法(けかさほう)を用い、有名な東大寺のお水取り行事と同種の法要になります。

長谷寺では修正会、その後に続く修二会(しゅにえ)が2月8日から始まり、最後の2月14日の結願に「だだおし」をして、二週間続いた悔過作法を終えます。

長谷寺の悔過作法は楚(すわえ)という鞭を振り回し「災い」を祓い、太鼓と法螺貝が響く中を足をふみ鳴らし観音様の周りを回ります。「だだおし」ではそこに災いの象徴、鬼が加わります。

さて、仁王会ですがこちらも古い歴史があり、日本で最初に行われたのは660年とされています。「仁王護国般若波羅蜜多経」略して仁王経を読誦して人々の安寧を祈願する法要になります。

仁王経は国家が安泰になる為にはどうすべきかを説いており、国を治める統治者が五徳の一つ「仁」を以って統治すれば、国が安定し国民が安寧になるとしています。

その仁王経を具現化しているお寺が教王護国寺、京都にある東寺になります。東寺では明日8日から14日までの七日間、後七日御修法(ごしちにちみしゅほう)という大法会が執り行われます。

御修法は”みしほ”などとも呼ばれ、今上陛下の御衣(ぎょえ)を加持して、間接的に陛下の長命を祈願して、ひいては日本国が平和である事を願います。

この御修法は真言宗の18ある各総大本山の長老が集い、真言宗において最大にして最高の法要になり、今年は長谷寺の田代弘興猊下が御修法の中心的役割の大阿闍梨(だいあじゃり)を努めます。

また、今上陛下が譲位される年であり、改元が行われます。変化の年でもあり、亥年で猪のように邁進する年でもあります。その年に天皇(すめらぎ)の弥栄(いやさか)を祈る事は大変有り難い事です。

今年一年をどのような年にするか、”一年の計は元旦にあり”と言うように、この時期に決めて一年を安泰にお過ごしいただけるようご祈念申し上げます。


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